デザイナー紹介

Gerda Bengtsson /ゲルダ・ベングトソン (1900-1995)

Gerda bengtsson

アカデミー・オフ・アーツでデザイン、織物など装飾美術を学んだ後、パリに留学し、ゴブラン織りを習得したり、織物用の古い下絵のコピーなど実地の勉強をした後、1929年、デンマーク手工芸ギルド創立の翌年であるが、始めてギルドよりの注文により、キャンバスステッチの図柄にクリューニ美術館の17世紀のタペストリーのウサギと野の花々を選び制作した。この時以来、ギルドの手工芸学校で刺繍デザインを教える一方でギルドのアトリエで働くことになりクロスステッチ用のデザインを始めることになる。

75才の誕生日の時に、彼女は「ギルドのアトリエで働くことが私を幸せにし、私を成長させ、またそこで新しいものに挑戦できた」と語っている。1947年にグースベリーのクッションの傑作が生れ、以後今日まで数万とも呼ばれるデザインを作り出し、20世紀のデンマーク刺繍を世界的なものにした。

自然の本質をとらえる野の草花や樹ばかりでなく、庭や公園でくつろぐ人々のスナップを最少のステッチでユーモアをこめて表現する作家としても評価が高い。

思い出: 「いつも素朴な紺のワンピースが印象的で、野の花を愛する人柄」と記憶している山梨幹子の元に宛てられた直筆の書簡はYHIアーカイブに大切に保管されています。

写真提供:デンマーク手工芸ギルド協会


Ida Winckler /イダ・ウィンクレル

1901年生まれ。デザイン工芸学校でデザインと刺繍を学ぶ。卒業後、ギルドのアトリエの専属デザイナーとして働く。当部の仕事はギルドの莫大なコレクションから新しいパターン(主にサンプラー)を作り出すことであった。この仕事によって、彼女自身のセンスが磨かれ、建物、地図、船シリーズの美しい傑作が誕生していった。

ドローイングをクロスステッチに移し変えるテクニックでは第一人者と評されているが、芸術家の特質にあくまでこだわり保護しているためといわれる。


Edith Hansen / エディス・ハンセン

Edith Hansen

1926年生れ。デンマーク手工芸ギルド学校卒。1959年より母校でデザインと刺繍を教える一方、ギルドのアトリエでデザイナーとして働く。

彼女のデザインは光の効果を巧みなセンスで表現し、そのオリジナルな下絵は丸、四角などの紙を使ったコラージュによる場合が多い,また、金糸刺繍にすぐれ、エディススタイルとも言うべき糸使いとステッチの妙をあみ出した。

古い刺繍作品のコレクターとじても有名であり、ローゼンボー城の古いゴブラン織りの修復の仕事も高く評価されている。

写真提供:デンマーク手工芸ギルド協会


H M Queen Margrethe / マーグレーテ女王陛下

1940年生れ。1972年デンマーク王位に就かれる。王女時代は政治学、考古学をコペンハーゲン大学とケンブリッジ大学で学ばれ、語学が堪能で翻訳書や著作も多い。芸術的才能としては絵を描くことと刺繍が大好きで「このことは自分自身を表現するのに大変重要なことです」と語っておられます。

今までも、切手のデザイン、挿絵、アンデルセンのTVや舞台の衣装デザイン、映画演出まで幅広い分野で、退位後もアーティストとして活躍されている。

またデンマーク手工芸ギルドのために”デンマークの気象”など多くの優れたデザインをつくられた。平面的なクロスステッチの図柄に立体的構図を生み出し、刺繍界に新風を送られた。陛下自ら刺細をなさる場合は、パターンなしでフリーハンド刺繍を好まれる。

写真提供:デンマーク手工芸ギルド協会

思い出:1981年、デンマーク手工芸ギルドと共催『デンマーク装飾工芸展』に際し、ヘンリック殿下と共にご来場。2003年の『刺繍で綴るデンマークの世界展」ではマルガレーテ女王陛下刺繍作品11点を拝借し華やかな展示となりました。 


Ole Kortzau/オーレ・コルツォー

1945年生れ。建築家であり、テキスタイルのデザインなどインテリアの分野でも活躍している。

特に、彼の名を有名にしたのはデンマークの生活風景を単純化した形と色でシンプルに表現した絵である。

1990年のデンマーク手工芸ギルドのカレンダーで初めてクロスステッチのデザインを手掛け、太陽の下のデンマークをテーマに変りゆく気節や草花の変化を巧みな包彩と単純な線で表現した。

これは、刺繍デザインの新しい可能性を示し、軽やかな風景デザインは世代を超えて愛されている。

https://houseofneedlework.com/en/designer/ole-kortzau

思い出:アトリエを訪問させていただいた時の、作品全体から放射されるような明るさは忘れられません。見る人を爽やかな幸せな気持ちにする色使いとデザインの数々に魅せられました。「日本では中沢乳業のロゴデザインをしたよ」と教えて頂き、改めてスーパーで製品を見ると、コルツォーさんらしいシンプル且つ明るいデザインでクロスステッチにも通じていて微笑みがこぼれました。


Bjorn Wiinblad/ ビヨン・ヴィンブラッド 1918-2006

デンマークの20世紀を代表するアーティスト。画家として多くの絵を描きながら、デザイナーとして陶器やジュエリーの製作に携わる。

デンマーク手工芸ギルドの刺繍にも、彼独特の婦人像や自然と戯れる有機的な図案を制作した。

アート性の高いクロスステッチを実現し、定評が多い。人を喜ばせるのが好きだった彼の描く“幸せなファンタジー“には、世界中にファンが多い。

https://en.wikipedia.org/wiki/Bjørn_Wiinblad

思い出:ヤマナシヘムスロイドがコペンハーゲンで現地法人HF Galleri としてデンマーク手工芸ギルド作品公開展示のサポートをしていた2002年、ヴィンブラッド展を開催しご来場いただき友好を深めました。


続く・・・